分からなくとも触れていく習慣

先日、長男の小学校で「音楽発表会」という行事がありました。私にとって初めての行事だったので期待も予想も0の状態で見に行ってまいりました。

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あのくじらはきっと学校が好きなんだね。

 

私は歌が大好きな学生でした。合唱祭はまかせておけ、主旋律ばっちこい、大学進学後も軽音楽部でボーカルをやるほど。なんなら小学校のころから歌手になりたかったし。

 

永遠などないと、気づいた時から。

開演後、トップバッターは5年生。合唱はいきものがかりの”YELL”

重い曲キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

YELL/じょいふる

YELL/じょいふる

 

 両A面でじょいふると合わせてくるいきものがかりの幅がすごい(尊敬)


YELL/いきものがかり(Cover)

GooseHouseのカヴァーも素敵です。

 

たしか、全国合唱コンクールの課題曲になりましたよね?アンジェラアキのあれの次あたりに。(曲名が出てこない)拝啓、この手紙~♪ってやつ。

 

で、何が重いのかというと、5年生に歌わせるということです。

5年生が

さよならは悲しいことばじゃない

それぞれの夢へと僕らをつなぐエール

 というのですよ。

さよならは悲しい言葉じゃないですよ、毎日帰りの会で「さようなら」って言いますからただの挨拶です。故にそれぞれの夢へと僕らをつなぐエールとか意味不明です。

さようならが悲しい言葉だと思うのは小学校や中学校を卒業したり、もう簡単には会えないという体験をした人が感じられるものなのではないかと思います。

 

次のステップへ進むためには別れが必ずあって、別れがあるからこそ出会いがある。だから、必ずしも悲しいものではなく、私が私を、あの子があの子の人生を生きていく選択をするうえで声援のようなものだよ。応援してるよ、というメッセージがこの歌詞には込められているように35歳の私は感じます(聖恵ちゃんと同い年)

 

このメッセージが込められた曲を、5年生という思春期の始まりの年齢になった子どもたちがクラス全員で歌うという選択が「粋だなぁ」と思いました。

 

私が5年生の時に考えていたことを振り返る。

人の子ではなく、自分はどうだったのだろうと思い出してみました。

私は5年生の時、大きな決断をしました。

それは「芸能界に入ってみたい」ということを行動した年でした。当時も私はどっぷりとジャニーズにハマり(滝沢秀明ラブ)、SPEEDがデビューし同い年の人たちが華々しい世界で活躍する姿を見て彼らのように輝く世界に飛び込みたいと思い焦がれていたのです。自分で新聞広告欄のタレントオーディションを見つけ、親に懇願しました。私が初めて自分でこれやりたい!といった瞬間だったと思います(それまではいつも兄のまねばかりしてたから)。

身体的にはまだ子供だったけど、確実に未来に夢を持ち歩みを進めたいという願望を持っていたように記憶しています(甘いところはまだまだあるけど)。

歌の歌詞が持つ力。

歌には不思議な力があって、その時はわけもわからず歌ったり聴いたりしてもなんとも感じなかった歌詞があるとき急によみがえってきて(メロディに乗って蘇ってくる)、励ましたり、慰めたり、心をえぐっていったりすることがあるんですよね。

 

何かに思い悩む歳になったとき、将来進む道に光が見いだせないとき、絶望しかないと首をもたげるとき、ふと蘇ってきて口ずさむYELLが彼ら彼女らを救う日が来ると思う。クラスみんなで歌った記憶とともにそれぞれの人生にとって「声援」となる日がくるかもしれない、そういった点で、歌の特に歌詞は突然思わぬ方向から心に入り込んでくる不思議な力を持っている。激しい感情の変化がある思春期の入り口である5年生で出会ってよかった曲だといえる。

 

音楽の歌詞が気分変化に与える効果

私が歌うことがすきなことは何度も書いてきたが、大学の卒論でも当然のように音楽の研究をしました。(心理学科でした)私は歌が好きで、前項に書いたように歌詞に救われれて生きてきました(思春期)。それに自覚はないけれど、私が歌うと感情が揺さぶられるといわれる経験が何度もあって、歌詞の意味だけでなく、音楽とメロディにのり、かつ肉声が鼓膜に届くことで歌が気分の変化を生むのではないかと、仮説をたてて実験をしました。実験の内容などは割愛しますが(笑)

必要な時に思わぬ角度から私を救ってくれた数々の曲たち…私に起こったことなのだから、私以外の人にも当然起こると仮定して卒業論文を書きました。

実験では歌詞付きの音楽を聴いたグループは、同じ内容の朗読を聞いたグループと同じ内容の英語歌詞を聞いたグループよりより気分変化を起こしたという結果が出ました。

この結果は、音楽だけでなく、歌詞だけでなく、音楽が歌詞にのることで人の気分を変化させる効果があるという結論を示すものになりました(大学の卒論レベルですが)

教科書の曲と現代の生きた曲の違いは心の距離の近さ

学校教育の中で(特に音楽)出逢う曲は昔に作られた曲が多く

おお、まきばはみどり~♪

って歌っても、( ゚д゚)…おお。ってなる程度ですよね。理解しづらい曲が多い。

仰げば尊し~♪

 アオゲバトウトシってなに?古文?的な認識でしたよ、わたし。君が代はそうであるように、よく解釈をしないと日本語であるはずなのに何が言いたいのかさっぱりわからない。それが叙情的で日本的な美しさだと語る人もいるけど、分かりづらいしとっつき辛いのは確か。

一方、今、歌手によって歌われ、広く人に認知されている歌手(アーティスト)の楽曲は聴く人との距離が近く、心にすっと入り込む曲が多い。現代の小学生はこういった生きた音楽に触れ学校教育の中で歌う機会を持ててよいなあと思います(私が現役のころはなかった)もっとたくさんの生きた音楽に触れて、時に心をえぐられ、励まされ、音楽とともに人生をあるんで行く若者が増えるといいなぁと思います。(希望)

聴いた人も救われる。

YELLは私が作った曲ではないし、私が歌ったわけでもないし、私はただの観覧者ですが、確実に出会った人の心を救うパワーを持った曲です。今、5年生の歌を聞いて、私も救われました。自分の人生を歩もうと背中をおしてくれました。

ありがとう、5年生。ありがとう、きよえちゃん。

https://www.instagram.com/p/BuqgurZnAqI/

大好きニコちゃん。