009.マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ
私は
この本が
シリーズ化されていることが
うれしい
そう、こういう小説が好きなの。
どんどんとページをめくってしまう。
次がとっても気になる。
風景もそこに在る空気感も、まるでそこにいるように描かれていてトリップした気分になる。
ーーーーー大丈夫よ。
読者も登場人物も、シャールのこの言葉を聞いてホッとする。小説の中であることを知りながら、気の置ける姐さんに出会えたような高揚感を覚えた。
トランスジェンダー、病い、友人、仕事、結婚、家族。誰もが複雑に絡まりあった表情を抱えながらも毎日を生きてる。小さな止まり木を目指して必死に羽を動かしてる。だから、わたしも頑張ろう。って思えた。
身体を想う。
作中で登場する料理は殆どがマクロビオティック料理です。無理を感じない、頑固ではないマクロビという印象です。食は人を作ります。それはわかっているけれど、より旨味のある方へ、お手軽な方へ、なれてある方へ、楽な方へ進んでしまう。自由に向かうのが当然だと思うけど、それによって歪みが生まれるのも確かなこと。
マクロビという制限の中で最大限人生を楽しむシャールの姿が胸に残っています。
トランスジェンダーという制限の中で、自分を示し楽しむ姿と重なっています。
いい作品に出会った。
料理一家に生まれ、私自身も料理に興味を持ったからこそ、出会えた作品です。
シリーズ、読み進めようと思います。
あー、楽しみ。